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ともしびの言葉 [高田本山]

もう一週間も前の報告です。
高田本山で高田派末寺のお同行(お檀家さん)を対象とした研修会「檀信徒研修会」が催されました。
私もお手伝いのひとりとして参加、いくつもの学びの場となりました。

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午前中は松山智道師の講演。
高田の歴史をたどりながら、お念仏に生きた方々の言葉をいくつもご紹介くださり、聴聞されていた皆さんの心にも響いたようです。
午後からはいくつものグループに分かれ、座談会を設け感想や質問を受けます。
午前の講演で印象に残ったものをお尋ねすると

「人生はやり直すことはできないが、見直すことはできる」 金子大榮

「世の中は こその二文字のつけどころ 乱れるもこそ 治まるもこそ」
「こそこその こそはこちらの ものならで こそはあちらの こそにこそあれ」 宮戸道雄

ひと言に出遇うことができれば、何よりも素晴らしいことですね。

はじめの一歩 [高田本山]

先日、高田本山へお役をいただき行って参りました。
「布教伝道研修講座」というもののお手伝いであります。
これは若手僧侶が「法話」を大勢の前で聞いていただくというもの。
30代を中心とした6名の僧侶が持ち時間15分の中で「法話」を披露しました。

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本来はお堂の中でするとよいのですが、進行の都合上、こうした大きな会議室を会場としています。

この6名の中にはあちらこちらのお寺でお説教をしているという中堅説教師から生まれて初めて人前で法話を話すという者までおられました。
当然、慣れない者はかなり緊張しておりましたし、話も内容に乏しく短時間で終えられたりでした。
それでも私はここに参加しようと思いを持った彼らを褒め称えたいと思います。

「法話」は真宗の特許ではありませんが、大きな特徴であることに間違いないでしょう。
仏教のどんな宗派でも勤行、法要のない宗派はありません。形式は異なれど仏典を奉読、つまり読経し仏徳讃嘆、研鑚修養を勤めます。そして真宗ではそれと同じくらい大切なこととして「法話」を語り、聞き、談義することを重んじています。
つまり真宗では厳かで立派な勤行を勤めることだけではなく、南無阿弥陀仏のいわれ、阿弥陀様の御本願のありがたさを伝えることが不可欠なのです。

今日、葬儀をはじめとして年回、年忌の簡素化、省略が著しくなっておりますが、そもそもこれは僧侶である私たちの法要に対する意識の低下が形骸化を生み、集われた方に感動も満足も与えられなくなった結果であろうと考えます。

だからこそ真宗においては「法話」を通じて仏縁を結んでいただく機会を図っていかなくては、不要な存在になってしまうことでしょう。

雨、踊る [高田本山]

昨日は雨の中、高田本山にてお逮夜のお説教を勤めて参りました。
平日の日中のそれも雨天ということで、参詣者はごく少数。なんとか御影堂に上がって来られた方々をお引止めしてお聞きいただきました。

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さて、高田本山は只今、蓮の花が見頃です。
池一面に蓮が覆い、そのあちこちに蓮の花が大輪を咲かせています。

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この時はあいにくの雨と、ちょっと残念な気分で眺めていたのですが、雨の日には雨の日の良さがあるものですね。
蓮の葉は落ちてきた雨粒をコロコロの水滴にしてその中央に貯め、ユラユラと揺れています。
そしてその大きな葉は頷くようにしてその光る水をこぼします。その下にあった葉がその透明な玉をリレーするように、隣の葉に転がします。
まるで水で動くオブジェのようです。
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雨に打たれる蓮の花を眺めているとあっちでもこっちでも・・・

コロコロ・・ツルツル・・・ポチャポチャ・・

コロコロ・・ツルツル・・・ポチャポチャ・・

コロコロ・・ツルツル・・・ポチャポチャ・・

近田昭夫先生吠える! [高田本山]

昨日は高田本山にて「平成27年度布教伝道研修講座」の第一回が開催され、東京より大谷派僧侶・近田昭夫先生にお越しいただきました。

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本山は雨。

近田昭夫先生は現在83歳。
高田本山へお越しになるのはなんと50年振りとのこと。私はご一緒に御影堂、如来堂の両御堂をお参りさせていただきましたが、先生の深々と頭を下げての参詣する姿に、こちらの気持ちの引き締まる思いでした。
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さて、先生のお話が始まりました。いきなり「空念仏をいたしましょう。心を籠めてお念仏するなんて必要ありません」と始められます。それからはグイグイと私たちをお念仏の世界へと引っ張ってゆきます。
南無阿弥陀仏とは仏さまそのものなのですよ、ということを一時間半に亘り熱く語ってくださいました。
ご本人は「私の話しはべらんめえ調で申し訳ない」と仰っていましたが、単に口調というよりも今この一瞬一瞬にいのちを懸けてお話されているようです。そしてぼんやりと聞いている私に業を煮やし、活を入れるかのような強い口調での御催促でした。

先生はその日は津にお泊りいただくことになっていたので、有志数人と一席設け先生を囲んで懇親会をもちました。ここからが近田先生ご講演の第二部といった感じで素晴らしかった。
先生の幼少の時の東京の様子。吉原の中、東京大空襲の実体験の話。お育て頂いた数々の知識方。お堂もないお寺に入寺して、不思議なご縁で今日までやってこられた道程。そして安心、獲信について・・・。
何を訊ねても、懇切丁寧に応えてくださいます。本当に暖かい先生であります。

カウントダウン [高田本山]

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早朝の高田本山

本山晨朝説教に出講。この季節、朝七時からのお勤めが最も爽やかで気持ちの良い時ですね。

さて、高田本山で只今ご開扉されている一光三尊仏さまも残りわずかとなって参りました。
来週5/28日の午後1時の法要をもって終了です。(その後、来年の春まで全国あちこちの高田のお寺を巡られます)

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これが晨朝の始まる前の御影堂内陣の様子。
この白幕は引声念仏に合わせて巻き上げられ、須弥壇に光り輝く一光三尊仏が現れるのです。

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