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へいわってすてきだね [新聞、書籍より]

昨日の朝刊一面に素晴らしい素晴らしい奇跡のような詩が紹介されていました。
これは沖縄の小学生安里有生(あさと ゆうき)君が一年生の時に作った詩だそうです。
もうこれに解説など要らないでしょう。

「へいわってすてきだね」
へいわってなにかな。
ぼくは、かんがえたよ。
おともだちとなかよし。
かぞくが、げんき。
えがおであそぶ。
ねこがわらう。 おなかがいっぱい。
やぎがのんびりあるいてる。
けんかしてもすぐなかなおり。
ちょうめいそうがたくさんはえ、
よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。
みなとには、フェリーがとまっていて、
うみには、かめやかじきがおよいでる。
やさしいこころがにじになる。
へいわっていいね。へいわってうれしいね。
みんなのこころから、
へいわがうまれるんだね。
せんそうは、おそろしい。
「ドドーン、ドカーン」
ばくだんがおちてくるこわいおと。
おなかがすいて、くるしむこども。
かぞくがしんでしまってなくひとたち。
ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。
このへいわが、ずっとつづいてほしい。
みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい。
へいわなかぞく、へいわながっこう、
へいわなよなぐにじま、
へいわなおきなわ、 へいわなせかい、
へいわってすてきだね。
これからも、ずっとへいわがつづくように
ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ。
安里有生くん(6歳)

この詩が私の大好きな長谷川義史さんによって絵本となるそうです。
もちろん既に発注してあります。本堂の本棚に入るときにはお知らせします。

男性として恥ずかしい [新聞、書籍より]

東京都議会での「セクハラやじ」の問題。
ごまかしきれることではないので、はやく自首したほうがよいだろうに。もうそのタイミングを失ってしまったか。
これはいち女性議員を侮辱しただけにとどまらず、全人類の女性に対して「お前たちは人間ではない」と言い放ったと同じことであると思う。
女性を男性のために妻となり、子どもを生産する種としてしか見ていないからこそ、伝え聞くようなやじがその口から飛び出たのでしょう。

「たかがやじ」と言うなかれ。
「たかがやじ」「たかが冷やかし」「たかがからかい」によって、どれだけの人が自らいのちを断ったであろうか。
仏教では人間の行いを「業(ごう)」といい。それを「身業(しんごう)」「口業(くごう)」「意業(いごう)」の三つに分けて教えている。
「身業」は行為、行動。身をもって行うこと。
「口業」は言葉。言語を使うことからすれば書かれた言葉も含まれると思う。
「意業」は意志、感情。心に沸き起こる感情や頭に考えたこと。

ここで「身業」と「口業」を分けていることに留意したい。
相手を刃物で傷つけたりするようなことも、言葉でもって傷つける(やじる)ことも同罪であるということです。
自業自得ヤジ224.jpg

この度、やじを飛ばして今頃青くなっている議員さん、失言でしたでは済まないでしょう。これはあなたの心の姿が言葉となって出てきたものですから、取り繕うよりも中身の点検をすべきでしょうね。

自ら蒔いた口業の種は世界中で芽を出して、じわじわとあなたの元へと忍び寄りつつあります。
「自業自得」の倣いからすれば至極当然なことであります。


おもかげ復元師 [新聞、書籍より]

本堂に書棚を設置した記事を読んでくださったお檀家さんが、きっと私の趣旨に副うだろうと二冊の本を届けてくださった。
おもかげ復元師.jpg
左『おもかげ復元師』・右『おもかげ復元師の震災絵日記』  共に笹原留似子著

笹原留似子さんは納棺師です。ご遺体に死化粧を施し、お棺に納める仕事をなさっていらっしゃいます。
ただ、彼女はどんなに損傷の激しいご遺体、時間経過と共に変容してしまったご遺体も「復元」させることができるという、日本にも数少ない方のひとりだそうです。
そんな笹原さんは地元岩手県で震災に遭われます。数日もせぬうちに彼女は知り合いの僧侶に誘われて津波に襲われた海岸部へと足を運びます。そこで壮絶な惨状を目の当たりにし、そして遺体安置所に行き、なんの手も施されないままのご遺体が並ぶ光景を見て、「わたしにしかできないことがある」と思い、それから寝る間も惜しんでひとりひとりのご遺体を丁寧に復元するボランティア活動を開始します。

笹原さんの思いは、ご家族に思い出の中の故人に戻して(復元)あげることで、ご家族ははじめて故人の死を受け入れ、別れをすることができる。それは故人の願いでもあるのだからというものです。
ギリギリの状況の中で笹原さんはたくさんの故人とご家族を向き合わせていかれました。

本文より一部ご紹介します。


素晴らしい言葉 [新聞、書籍より]

先日の名古屋駅前での暴走車事件。
死者が出なかったのは不幸中の幸い。暴走車は街路樹に激突して大破、走行不能となった。もしあの樹にぶつからなかったら更に加速しながら歩道を突っ走っていったことだろう。
その樹は幹がえぐられ痛々しい姿となった。
その傷に絆創膏が貼られていたという、それも素晴らしいメッセージを書き込んで。
P1010803.jpg
被害者も犯人さえも
救ってくれてありがとう


誰がこんな絆創膏を貼ったんだろう。被害者に対して思いを馳せるのなら、普通に優しい人だなあと思いますが、犯人に対してさえも助かってよかったとメッセージを寄せている。これはなかなか言えることではないですね。
犯人を極悪人と決めつけ、憎み罵倒するような言葉が書き込まれてもおかしくないと思います。
誰も命を落とすことがなかったことを心から喜ぶ心があってこそ、生まれた素晴らしい言葉だったと思います。

職人魂 [新聞、書籍より]

ニュースでバット職人・久保田五十一(いそかず)氏の引退が報じられていた。
あのイチローや松井秀喜といった一流選手から絶大なる信頼を得、「現代の名工」にも選ばれたほどの方である。
普段野球など気にも留めていない私だが、氏の引退の挨拶にハッとさせられた。

「いろんな選手の方、たくさんのバットの木に支えられて55年間もこの仕事を続けることができました」

自分を支持してくれた選手に対しての感謝のみならず、生涯に50万本ともいわれるバットを削り出すにあたり、向き合った「木」そのものにも惜しみない感謝を表されている。
氏は選手ひとりひとりの要望に耳を傾け、そしてノミを手に一本一本異なる性格の木と対話しながらの55年間であったのでしょう。
そこには「自我」というものが少しも入らぬ、ただ自分を虚しくしてもの作りに打ち込まれた職人魂を感じます。
久保田五十一氏128.jpg

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