SSブログ
新聞、書籍より ブログトップ
前の5件 | 次の5件

平和の俳句 [新聞、書籍より]

中日新聞の一面に毎日『平和の俳句』というコーナーに平和の尊さや戦争の愚かさを謳った俳句が紹介されている。そこに登場する俳句は一般から投稿されたもので、特別秀でた一句である。

そして昨日の朝刊にその一面には選ばれなかったものの、素晴らしい選外のものが一覧で載せられていた。そこからいくつかご紹介したい。

まずは戦時中を体験された世代のもの

「兵たりし一気に卒寿春田打つ」  坂部新蔵(89歳)

「嫁ぎたる三日の縁(えにし)叔母の春」   多田園絵(79歳)

「伝へない軍の残虐春愁(うれひ)」   宇佐美次男(81歳)

「土筆摘む兵たりし身の斯く生きて」   久野信義(90歳)

どの方も70年以上昔のことが昨日のように思い出され、まるであの時から時計が止まったままのようです。
重いものを背負いながら今日まで生きて来られたことが偲ばれます。

そして「戦争」を聞き学んだ子ども達の俳句です。

「なにもかもなくなっちゃうのわたしもママも」   樋渡奈那子(8歳)

「平和とは生命(いのち)のもとを生みだすよ」   仲原美優(10歳)

子ども達の敏感な感受性と洞察力に胸にぐさりと突き刺さる鋭さを感じます。
大人、頑張らなきゃ、頑張り時であります。


名付け親 [新聞、書籍より]

昨日の夕刊に「惑星 あなたが名付け親」というタイトルをみつけた。
記事によると、国際天文学連合が太陽系外惑星に名前を公募するという。

「太陽系外惑星」とは、太陽系の惑星は私たちの住む地球を含め水・金・地・火・木・土・天・海・冥というご存じのもの。そして太陽系外惑星とは、私たちが夜空に見上げる星たちも太陽と同じように自身が燃え、その引力圏内にいくつかの衛星(惑星)を抱えたものもあります。
そうした遠く離れた恒星の周りを回る惑星が現在1700個以上も発見されているそうです。ところがそれらの名前といえば記号めいたものばかりで親しみが湧かないものばかり、そこでこの度世界中から惑星の名前を募集して、皆に関心を持ってもらい、知名度を上げて行こうという試みだそうです。
,惑星命名258.jpg

日本語の名前でも良いそうなので、ひょっとすると自分が考えた名前が遠い宇宙のある惑星の名前となるかもしれません。
「トラは死して皮を留め、人は死して名を残す・・・」ん?意味が違いましたか。

ただし名付けるにあたってはいくつかの条件があります。
アルファベット16字以内のひとつの単語。
存命中の人物の名前やペットの名前は対象外。
政治や軍事、宗教に関連する人や場所の名前も認めないというもの。

Takarabune(たからぶね)ちょっと普通かな、センスないなあ。

Miyamakarasuageha(みやまからすあげは)これだとアルファベットで17文字になってしまいました。

言葉として美しいイメージをもったものを選びたいですし、世界中の人が耳にして響きのよいものでないと投票で負けてしまうだろうし、などと考えているとちっとも浮かんで来てくれません。

「うーーーーーん」


泣きながら抵抗しよう [新聞、書籍より]

平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう
                なかにし礼

二〇一四年七月一日火曜日
集団的自衛権が閣議決定された
この日 日本の誇るべき
たった一つの宝物
平和憲法は粉砕された
つまり君たち若者もまた
圧殺されたのである
こんな憲法違反にたいして
最高裁はなんの文句も言わない
かくして君たちの日本は
その長い歴史の中の
どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
暗黒時代へともどっていく
そしてまたあの
醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
戦争が始まるだろう
ああ、若き友たちよ!
巨大な歯車がひとたびぐらっと
回りはじめたら最後
君もその中に巻き込まれる
いやがおうでも巻き込まれる
しかし君に戦う理由などあるのか平和家族像色つき237.jpg
国のため? 大義のため?
そんなもののために
君は銃で人を狙えるのか
君は銃剣で人を刺せるのか
君は人々の上に爆弾を落とせるのか
若き友たちよ!
君は戦場に行ってはならない
なぜなら君は戦争にむいてないからだ
世界史上類例のない
六十九年間も平和がつづいた
理想の国に生まれたんだもの
平和しか知らないんだ
平和の申し子なんだ
平和こそが君の故郷であり
生活であり存在理由なんだ
平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
戦争なんか真っ平ごめんだ
人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
たとえ国家といえども
俺の人生にかまわないでくれ
俺は臆病なんだ
俺は弱虫なんだ
卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
しかし俺は平和が好きなんだ
それのどこが悪い?
弱くあることも
勇気のいることなんだぜ
そう言って胸をはれば
なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか
怖(おそ)れるものはなにもない
愛する平和の申し子たちよ
この世に生まれ出た時
君は命の歓喜の産声をあげた
君の命よりも大切なものはない
生き抜かなければならない
死んではならない
が 殺してもいけない
だから今こそ!
もっともか弱きものとして
産声をあげる赤児のように
泣きながら抵抗を始めよう
泣きながら抵抗をしつづけるのだ
泣くことを一生やめてはならない
平和のために!

Facebookで読んで感動した。毎日新聞に載ったそうです。
本当の勇気というものをこの詩は教えている。
恨みも憎しみさえ持たない他人を殺すことが出来るようにしてしまうのが戦争の恐ろしさです。
たとえ殺されなかったとしても、その人の心は既に人の心を失ってしまうのです。
「いやだよ~」「やめようよ~」「こわいよ~」
どんどんと声を上げよう。

河原温(かわはら おん)は完成した。 [新聞、書籍より]

今朝の新聞に「河原温逝去」の記事があった。
コンセプチュアルアートつまり概念芸術の旗手として今日まで活躍し続けた作家である。
彼の代表作として日付絵画と呼ばれる作品群がある。
これはA3サイズほどのキャンバスに幾層にも絵具を塗り重ね、その上に白くその日の日付をレタリングするというシンプルなもの。真似ようとすれば誰にでもできるくらいそこには特殊な技術や技法は必要ではない。
ただその作品が毎日、毎日、それも一点ずつ、作り置きや後から追加なども一切なしで、一日しかない「今日」という時間を作品にしている。
私はある美術館でこの日付絵画が何点も展示されているのを見たことがある。その色合いや隅々まで気を配って塗り込められた画面にきれいだと感じた。しかしまだ若かった私にはこれほど作家自身を消し去った作品作りに共感できなかった思いがあった。
そして今、私は年をとったし、仏教の事も少々は学んだ。改めて河原温の作品を見れば、そこには「一期一会」や「諸行無常」といったものがすぐさま思い浮かぶ。河原温の作品が海外で非常に高い評価を得ていたことと、彼の作品の奥に東洋的かつ仏教的な思想が秘められていることは決して無関係ではなかっただろうと思う。
彼は自分の作品は自分が死んだ時に完成すると言っていたと聞く。
つまり彼は長い長い時間をかけて一つの作品を完成させたといってもいい。
河原温逝く.jpg

もし彼が今日生きていたならば、こんな作品を描いたはずだ。




影響力について [新聞、書籍より]

昨日のこと、日曜日ということもあり大勢の人で賑やかな東京新宿で、ひとりの男性が歩道橋の更に高いところに登り、ガソリンをかぶり自ら火をつけ焼身自殺を図った。幸い男性は重傷を負いながらも一命を取り留めたとのこと。
男性は拡声器を手に「集団的自衛権反対」を叫んでいたという。大都市の真ん中で一帯は一時騒然としたにも関わらず、テレビの報道などにほとんど出てこなかった。今朝の中日新聞に小さな記事を見つけたくらい。
私は思わず「これは集団的自衛権反対の声だから、マスコミが自主規制をしているのではなかろうか」と猜疑心に駆られていたところ、Facebookという連絡版で以下のような情報を知り腑に落ちた。勉強になった。
自殺予防228.jpg

WHO(世界保健機構)では世界中で毎年100万人もの人々が自殺する状況を「自殺は、私たちが意識を傾注すべき重要な公衆衛生学上の課題です。」としてその予防を制御を検討している。
その中でテレビや新聞などのメディアの影響力の強さに非常に注目しているとのこと。
つまり、メディアによって一人の自殺について報道されるその方法によっては、新たな自殺者を生み出すことになることもあるし、その逆に自殺に気持ちが傾いている人が助けを求める切っ掛けを作ることも出来うるということです。そうしてWHOがメディアに対して『自殺予防 メディア関係者のための手引き』というものをまとめ世界の標準基準を定めたそうです。

「自殺予防 メディア関係者のための手引き」WHO

努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う

自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない

自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない

自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない

自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない

見出しのつけかたには慎重を期する

写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する

著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする

自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする

どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する

メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る

続きを読む


前の5件 | 次の5件 新聞、書籍より ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。