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ワンダー [新聞、書籍より]

ワンダー.JPG
『WONDER ワンダー』 RJパラシオ作 ホルプ出版


久しぶりの書籍紹介です。
これはひとりの十歳の普通の男の子オーガストのお話。でもオーガストの顔には障碍があってみんなをビックリさせちゃうくらい。それがオーガストを普通じゃない子としてしまうのです。
オーガストが産まれた時、とり上げた若い先生は気絶してしまったほど。
オーガストの顔について本文ではこのように説明されている。

(オーガストの目は、ふつうの目があるはずの位置より三センチも下についている。ほうのまんなか近くだ。極端な角度のたれ目は、縦にまっすぐナイフで切られた切り傷のように見える。左目は右目よりずっと下にある。眼球が入りきるだけの穴がなく、目玉が大きく外に飛び出している。上まぶたはいつも半分閉じていて、今にも眠ってしまいそうに見える。下まぶたのほうは、見えない糸に引っぱられてでもいるように、ものすごくたれている。裏返って、赤いところまで見える。眉毛もまつ毛もない、そして、鼻は顔と不釣り合いに大きく、ぼってり肉がついている。耳のあるべきところはへこんでいて、顔のまんなかあたりを両側から巨大なペンチでつぶされたみたいに見える。ほお骨はない。鼻のよう側から口まで続く深いしわのせいで、とろけた蠟のように見える。そんな目鼻だちだから、顔にやけどでもしたのかと思う人までいる。口蓋を治す手術を何度か受けたせいで、口のまわりにいくつも傷がある。なかでも、上くちびるのまんなかから鼻に続く深い傷がひときわめだつ。上の歯は小さすぎるし飛び出しているので、下の歯とちゃんとかみあっていない。そして極度にあごの骨が小さいために、あごもとても小さい。)

とこんな具合です。そんなオーガストが10歳にして初めて学校に通い始めるというところから物語は始まります。波乱が起きないわけがありません。オーガストを取り巻く人々の内面が丁寧に丁寧に描かれ、彼にとって試練は次々とやってきます。途中読み続けることが辛くなるほど厳しい状況も訪れますが、彼は彼なりの生き方を貫くことで、人々は変わってきます。そして最後は・・・・・・・(本のカバーに「きっと、ふるえる」とあったように、ふるえます)

私はこの本を読み進めながらオーガストを敬遠したり避けたり嫌ったりする自分と向き合うことになった。これはオーガストと彼の周りの子ども達の描写で描かれているのですが、実はそこに私自身の心にある、差別心や慢心、残虐な心が顔を出してくるのです。

この話は実話なのか創作なのか、読み始めの頃は気になりましたが、最後にはそれはどちらでも構わないと思うようになりました。それは読んでいる私が揺さぶられ試され、そして赦されるという道程を経験することこそが大切であると思うからです。

是非、皆さんにもこの『ワンダー』を経験していただきたい。本堂の書棚に置いておきます。


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