不満足 [掲示板法語]
人は昨日にこだわり 明日を夢見て 今日を忘れる (本夛恵)
仏教では「幸福」を売り物にはしません。その代り「満足」することを説いています。
この世に生まれて来たあらゆる人がそれぞれに満足することを願っているからです。
ではどうしたら満足することができるのでしょうか?
ここでは満足するための手立てを示すのではなく
私の不満足の原因を端的に指摘してくださっています。
(昨日にこだわり)
自己の正当化と言い換えても良いでしょう。自分の努力してきたことも、苦労してきたことも、恵まれた様々なものごとにも、最後にはそこに「のに」が付いてしまいます。
「これまで頑張ってきたのに・・・」「ずっと我慢してきたのに・・・・」「あんなことが起こるまでは良かったのに・・・」全部愚痴や恨み節であります。
(明日を夢見て)
無い物ねだりとも言えますね。状況や環境の変化を求めている状態です。こちらは最後に「たら」が付いてきます。
「この宝くじが当たったら・・・」「景気がもう少し良くなったら・・・」「この病気が治ったら・・・」これでは希望が叶うまでは待ちぼうけですね。
(今日を忘れる)
今、ここ、この私。この三つに満足していないということです。
昔、お説教で聞いたお話
私たちはお化けと同じですという。お化けの長くふり乱した髪の毛は、「後ろ髪を引かれる」という姿そのもの。つまり過去への執着です。そして両手は体の前で空を掴む様子を表し、無い物ねだりの姿です。
そしてその報いとして足は掻き消え、今現在に足が着いていないというのです。
なるほど、お化けはどこからか現れるのでははく、この私が正にお化けだったということです。
2015-06-06 21:54
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0