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影響力について [新聞、書籍より]

昨日のこと、日曜日ということもあり大勢の人で賑やかな東京新宿で、ひとりの男性が歩道橋の更に高いところに登り、ガソリンをかぶり自ら火をつけ焼身自殺を図った。幸い男性は重傷を負いながらも一命を取り留めたとのこと。
男性は拡声器を手に「集団的自衛権反対」を叫んでいたという。大都市の真ん中で一帯は一時騒然としたにも関わらず、テレビの報道などにほとんど出てこなかった。今朝の中日新聞に小さな記事を見つけたくらい。
私は思わず「これは集団的自衛権反対の声だから、マスコミが自主規制をしているのではなかろうか」と猜疑心に駆られていたところ、Facebookという連絡版で以下のような情報を知り腑に落ちた。勉強になった。
自殺予防228.jpg

WHO(世界保健機構)では世界中で毎年100万人もの人々が自殺する状況を「自殺は、私たちが意識を傾注すべき重要な公衆衛生学上の課題です。」としてその予防を制御を検討している。
その中でテレビや新聞などのメディアの影響力の強さに非常に注目しているとのこと。
つまり、メディアによって一人の自殺について報道されるその方法によっては、新たな自殺者を生み出すことになることもあるし、その逆に自殺に気持ちが傾いている人が助けを求める切っ掛けを作ることも出来うるということです。そうしてWHOがメディアに対して『自殺予防 メディア関係者のための手引き』というものをまとめ世界の標準基準を定めたそうです。

「自殺予防 メディア関係者のための手引き」WHO

努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う

自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない

自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない

自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない

自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない

見出しのつけかたには慎重を期する

写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する

著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする

自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする

どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する

メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る
この指針に従えば昨日の事件も大きくとり上げられなかったのは当然だったといえるでしょう。

ともすると「集団的自衛権反対」ということと、大衆の面前で焼身自殺を図ったということが一緒くたに語られることにもなりかねません。
そこのところはきちんと分離して論じるべきと私は考えます。

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