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平等の教え《イスラーム》 [日記、時候]

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先日、東京での研修企画としてイスラーム(イスラム教)のモスク(寺院)・東京ジャーミイを訪問して参りました。イスラームは日本人にとっては認識が薄く、間違った先入観で見られていることが多いかと思います。
今回、そのイスラームの世界に知識だけでなく、空間に入り、目で見、手に触れ、そして味わうことを通して、その普遍宗教たる広大な世界を少しだけ知ることができました。

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代々木上原駅から徒歩3分。ビルに並びに突然アラビアンナイトのような建物が現れます。これが東京ジャーミイです。ジャーミイとはイスラームの礼拝堂をモスクといい、大型モスクをジャーミイといいます。日本各地にモスクはありますが、「ジャーミイ」と名の付くところはここ「東京ジャーミイ」だけのようです。

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一階の多目的ホール。そこに各宗派のお坊さんがいっぱい。この東京ジャーミイはトルコ文化センターとしてのはたらきもあり、ここが2000年に出来上がるのですが、その資金は寄付金で賄われ、その多くがトルコ国内で集まったそうです。その金額は数十億円に上ったそうです。
建築にあたっては水とコンクリートそして鉄筋以外はすべてトルコ本国より調達され、ここに見える内装品や調度品もそして床の大理石も運び込まれたものなのです。

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建物の中は装飾がちりばめられています。その一つ一つに意味があり、この壁に描かれているのはカリグラフィーといって神を称える言葉が書道として美しくデザインされたもの。
ここに写っている方が、今回イスラームについてご案内くださった下山茂さんです。下山さんは学生時代にアフリカでナイル川をゴムボートで下るという冒険旅行を敢行し、その時にであった田舎のイスラームの信者(ムスリム)たちとの出会いがきっかけとなり、その後、自身もイスラームに入信されました。
下山さんのお話は、温かさに満ち、本当に神を信じ愛していらっしゃる心が伝わってきました。

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建物の2階が礼拝堂になっていて、靴を脱いで柔らかな絨毯の敷き詰められた床を進む、まず見上げて思わず息を呑むに違いありません。本当に圧倒されます。スケールと共にその装飾のきめ細やかさと美しさ。

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ここでも下山さんの篤いイスラームのお話を伺います。

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こちらには大型のクルアーン(コーラン・聖典)があり、すべてが手書きなのだそうです。下山さんは大胆に開いて指で指し示しながら教えてくださいますが、私どもは畏れ多くて、とても触れられませんでした。

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写真中央の装飾された壁の凹みが聖地マッカ(メッカ)の方角を表しています。
丁度お昼時の礼拝の時間となり、日本に仕事で来られている方が三名、静かにお祈りを捧げていました。生きた現場を拝見することができました。
毎週金曜日にはこの広い礼拝堂が埋まるほどの多くの人が集まり、一斉に礼拝をするのだそうです。一度その時も来てみたいです。

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トルコ料理をご用意くださいました。異国情緒あふれる味と香り、ザクロのジュースもお茶も新鮮な美味しさでありました。

さて、イスラームの一番大切な心についてひとこと。


イスラームの教えでは神は唯一のもので、私たち人間は皆平等であるという。
その精神は礼拝の姿にはっきりと表れています。礼拝堂の床には等間隔に色分けがされていて、その帯に沿って人々は肩が触れるほど近づいてお祈りを行います。特徴的なのはどんな人も平等に横並びするということです。(男女は別々のエリアで行います)
イスラームには聖職者が存在しません。神と自分とは一対一で向き合うことのできる宗教なのです。ですから誰が来てもその平等は変わりません。それは人種も、国籍も、肌の色も、貧富の違いも、一切関わらず横一列に並ぶのです。ある時、エジプト大統領が来日された時にここ東京ジャーミイに礼拝に立ち寄られ、SPなどお付の人と一緒に並ばれて礼拝されたそうです。

日本仏教においてはどうでしょう。
仏さまの前では誰もが凡夫であり、平等であると教えにはありますが、お寺に入れば内陣という特別なエリアに僧侶という聖職者が入り、その各僧侶の位置にも「僧階」といって上下関係が定められ、総理大臣や天皇陛下でも訪れようものなら、仏さまの前であっても特別扱いが解かれることはないでしょう。

イスラームには弱きものを助け、施しを行うことを喜びとし、各人が学ぶことを規範としているなど、世界普遍宗教となる要素(魅力)を有していることを知りました。
世界情勢にも大きく関与しているイスラームを正しく理解しないと、大きな誤りを犯してしまうことでしょう。



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