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拓本教室 [日記、時候]

今朝、正太寺に普段目にしないような技を持つ方がいらっしゃいました。

「拓本」です。
本堂前にある晩翠碑の拓本をとってくれという依頼を受けて、専門家の河合荘次さんが一抱えの道具をかかえていらっしゃいました。

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まず刻まれた文字に蜘蛛の巣が付いていたり、土蜂が巣を作っていたりするのをきれいに取り除きます。
そして碑文の大きさを計ります。その文字がきちんと収まる紙を用意、いよいよ開始です。

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碑文に紙を当て、噴霧器で水をかけながら刷毛で押さえてゆくと、濡れた紙はピタリと石に貼りつきます。
この時も紙にバランスよく文字が入るように上下をにらみながら、少しずつ決めてゆきます。

拓本3.jpg

ほぼ位置は具合よく決まったようです。今朝も風の無い内にと、7時より作業を始められました。

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次に上からオーガンジーというスカートの裏地などに使う、サラサラの化繊の生地を被せます。これは紙を傷めないためです。

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そして大きな刷毛を左右に撫でながら、紙の下から空気を追い出します。

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次は丸めたタオルで押さえながら、余分な水分を取り除き、紙を石に密着させてゆきます。肉眼でも紙の上に文字がくっきりと分かるようになってきました。

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更に手ぬぐいを当てながら刷毛でトントンと叩き、石の細かな表面を浮き上がらせます。

拓本8.jpg

これで下準備は完了。

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碑文の一字一字にしっかりと紙が沿っているのが分かりますね。

拓本道具2.jpg

手にしているのは「拓包(たんぽう)」約まって「タンポ」と呼ばれる。
墨は膠の混ざっていない煤にオリーブオイルを少量まぜたもの。それをモグサに染ませ、布で覆ってあります。これをタンポに付け過ぎぬように注意しながら左右のタンポで馴染ませます。

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叩き始めますが、最初は墨が付いているのか分からないほど、薄く薄く全体を押さえます。

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文字の見え方を眺め、偏らないようにしながら、部分部分をタンポで叩く。

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石がでこぼこしているほど、墨の付かない白い部分が多くなるので、明るい感じに仕上がるそうです。

拓本13.jpg

乾き具合を見て、新聞紙を当て、ゆっくりと巻き取るようにして石から剥がしてゆきます。

拓本14.jpg

平らにして乾燥。表装するには数か月おいてからにすべきなのだそうです。墨が紙と馴染むまでには時間が必要ということです。

拓本道具1.jpg
拓本道具3.jpg

霧吹き器と刷毛たち。

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