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超絶技巧おぉぉ・・・!!!! [日記、時候]

先日の東京への研修にあたり、ちょっと早出をして気になっていた展覧会に足を運びました。

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森羅万象を刻む ―デューラーから柄澤齊へ
町田市国際版画美術館 2016.4/17~6/19


森羅万象を刻む3.jpg

新横浜からJRで町田まで、そこから歩いて15分ほど。急な坂を下ったところにありました。

森羅万象を刻む4.jpg

町田市国際版画美術館です。周囲は森の中の公園となっていて、子どもが水遊びをしていたり、鳥の声が聞こえたり落ち着くいいところです。

さて、展覧会会場に着きますと、入り口にルーペが置いてあります。これは作品の細部をじっくり見てくださいという心配りですね。早速、大小あるうちの大きな方(直径10㎝くらい)をひとつ持ちました。
16世紀ころのヨーロッパの作品が多いです。その描写力の圧倒的な鋭さには舌を巻くどころか、その作品の前でひれ伏したいくらいです。
ほんのハガキ一枚ほどの画面の中に、荒れ狂う海、吹きすさぶ大嵐、閃光を放つ太陽、そこに佇む豊満な女性裸体、肉体美の青年・・・まさに「森羅万象」が描かれています。
これらはすべて銅版あるいは堅い木の木口に、ビュランという彫刻刀で、直接人間の手によって彫られ、刻み付けられたもの。今日私たちは写真を撮り、そのデータをプリンターに送信すれば、あっという間に紙の上にその被写体が現れることに慣れてしまっています。
ここには写真と見まごう作品も多数あります。どんな人がこれを彫ったのだろうかと驚くばかりなのですが、空想の世界や精神的な宇宙観を表したものなど、そもそも写真では写すことのできない世界が並んでいます。人間はここまで厳格な仕事を成し得ることができることに感動してしまうほどです。

森羅万象を刻む2540.jpg

驚愕の一点。
これはキリストの顔が描かれていますが、よくご覧ください。鼻のてっぺんから渦巻き状に線が走っています。その線が太くなったり細くなったりしながら、一ヵ所も交差することなく延々と画面いっぱいになるまで広がり続け、なんとそこにキリストの顔が立ち現れるという作品です。
今ならコンピューターで同様のものは作ることができますが、1649年ですよこれの描かれたのは。
発想といい、それを実現させるテクニックといい、もう言葉もありません。

人間に感動する体験をしてみたいと思う方は、こちらの町田市国際版画美術館へどうぞお越しください。

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コメント 1

みやパパ

これは、ラジオもねえ、テレビもねえって時代のなせる業でもあるとおもいますねえ。
当時はこれが多数の印刷するための絵を作るを唯一の方法だったんでしょうけど、線に一切の乱れがないのが凄いです。
by みやパパ (2016-05-28 11:18) 

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