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阿漕平治の寺・上宮寺 [高田の寺々]

22日、23日と三重県津の上宮寺に出講
報恩講のお説教をもったいなくも務めて参りました。
上宮寺2015-1.jpg

こちらのご住職には私がまだ二十代後半だった頃、高田本山でお世話になった方。写真では丁度、高座に登られたところ。

上宮寺は推古二年(593年)に聖徳太子23歳の時、諸国巡行の際、津(当時は安濃津という)において、紫雲たなびく光景をご覧になり一宇を建てられたのが始まりというそれはそれは歴史の古いお寺です。
上宮寺2015-2.jpg
聖徳太子十六歳像

津の土産物に「平治煎餅」というものがございます。頭に被る笠の形をしたおせんべいです。素朴な味をしたおいしいものですが。
この平治煎餅が生まれる元となった大きな事件がその昔あったのです。
津に阿漕(あこぎ)という浜がありまして、そこは立派な魚がたくさん獲れる豊かな漁場です。ところがそこは伊勢神宮に奉納する鯛などを獲るための神聖な場として漁猟禁制が敷かれておりました。
そこに平治という男はこっそりと密漁を繰り返していたのです。それは病気の母を助けたい一心で行っていたともいわれます。
ある時、平治はその阿漕の浜に平治と名前の書かれた笠を忘れて来てしまい、それから足が着き召捕られ、なんと簀巻きにされ阿漕の海に沈められたのでした。
それからというもの、阿漕の海はさっぱり不漁となり、村には病人がたくさん出るようになり、人々は「平治の祟りだ」と怖れました。
そんな時、阿漕にありました上宮寺に平治の亡霊が現れ、己の苦しみを訴えます。上宮寺の西信律師によって成仏を遂げ、村に平穏が戻ったという。
この出来事から情け容赦のないことを「あこぎなこと」というようになるのです。
そしてこの平治の霊をなだめたのがここ上宮寺であります。
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