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学芸員は詩人である [日記、時候]

先日、津の本山へ行き、空き時間を使って三重県立美術館へ行って来ました。

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真昼の夢 夜の寝覚め -昼夜逆転の想像力

真昼の夢383.jpg


展覧会というと特定の作家の作品を展示するもの(例・ゴッホ展、ピカソ展など)。

あるいはある時代や表現方法でもって分類されたもの(例・印象派展、浮世絵展など)。

そして今回の展覧会はそのどちらでもありません。
夜の闇に潜む不思議な力、そして白日夢ともいえるインスピレーションの世界。
そうした昼夜逆転の状況が生む想像力の不思議を、所蔵作品を通して紹介するという企画展であります。

つまり様々な地域の様々な時代の色々なカテゴリーの作品群の中から(薄明の時間)(にぎやかな夜)(夜の彷徨)(夜行性)((銀河)(幻視)(蜃気楼)(終わらない眠り)といったテーマに沿ってピックアップそして紹介するというものです。
これは企画者であるこちらの学芸員さんの腕の見せ所といったところでしょうか。言い換えれば手持ちの食材でいかにして満足できるフルコース料理をこしらえることができるかチャレンジするようなもの。

さて展示室に入ると色んな作品が並んでいます。油絵あり版画あり日本画あり・・・。一見するとバラバラなのですが、それぞれの作品に添えられた解説文に案内されてゆきますと、各作品の持つ妖しさや幽かな光に気付くことができました。
その案内文の文面が非常によかったのです。単に時代や作家の紹介だけに留まらず、誰もが見逃してしまいそうな、それでいてそれこそが作品の大切なポイントといったところを、まるで詩の一節のような言葉で教えてくれるのです。
この展覧会はこの案内文を読まずしては辿ることは困難かと思います。しかし案内文にさえ従えば美術を味わう”コツ”のようなものさえ習うことができそうです。

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