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味岡伸太郎展1975-2016 [豊橋・牛川]

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「味岡伸太郎展 1975-2016」2016年8月11日(木)~10月23日(日)
会場:ギャラリーサンセリテ(豊橋市向山大池町18-11 0532-53-5651)


味岡伸太郎氏の初期から現在までの作品が展示されている。若き日の老練な作品から、現在開催中の「あいちトリエンナーレ2016」に出品されている作品のコンセプトを凝縮したものまでが並び、静かで豊かな空間を生み出している。
味岡伸太郎2016-1.jpg

氏の代表的作品にこうした土を素材にした平面作品があります。ご覧のようにゴツゴツ、ザラザラとした素材が目の前に起立している。こうした素材感に惹かれるだけでなく、この土という素材がどこからやってきたかということが、大きなテーマとなった作品がこちら。
味岡伸太郎2016-3.jpg

これら70点の長方形はそれぞれ、ある場所から採取された土(あるいは泥)である。
その場所とは愛知県の県境に点在する峠。東は静岡県、北は長野県、岐阜県。西は三重県と接し、その県境に点在する峠をひとつひとつ丁寧に訪れ、さらにその周辺でむき出しとなった斜面を探す。
これは生息する植物を傷つけたり、景観に影響を残さぬよう土を採取するためだという。
崖になっているところ。工事中の地肌、がけ崩れの跡などを求め峠道をさまようらしい。
味岡伸太郎2016-2.jpg

そうして取り集めたポイントを地図に記すとこういう具合なのである。この緻密さには恐れ入る。
改めて作品に目をやると、そこに広がる色のバリエーションに「ほー」と思わず感心してしまう。
「土」には色だけでなく、粒子の大きさなど誠に多彩であることで、「土」そのものの色が美しいということを、ここに立って初めて気づかされる。
これが私たちを足元から支えてくれている大地という世界であった。
お経には浄土という世界では大地は黄金によって覆いつくされているということが書かれているが、これは仏の眼(智慧によって正しく澄んだものの見方)には、大地にその素晴らしいかけがえの無いはたらきが映るということを表しているという。
味岡氏の眼もそれに近い眼をもっているようである。

ギャラリーサンセリテの情報はこちら
http://www.sincerite.info/


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